Xを見ている「着物民」(着物愛好家)なら、最近一度は目にしたかもしれない「#着物トンデモ着物マナー」のハッシュタグ。
いわゆる着物のマナーとは、ほんの一例として例えば...
「前合わせは「右前」が正しい。」
「季節に合った着物を着用する。」
「柄は季節の柄を選ぶのが基本。」
「荷物はできるだけ左手で持ち、右手は上前に添える。」
(Google生成AIによる該当ページ引用より)などなど...
「だからこそ面白く奥が深い」とも言えるし、「そのせいでなかなか着れない」という声や、「そもそもルール、マナーが古くさいから現代に刷新しましょう」という動きもあり。
どうにも混沌としています。
そのせいか、最近はトンデモネタまで"ルール""マナー"としてSNS上で本物かのように投稿され、コメント欄でああでもないこうでもないと盛り上がりバズってしまう始末。そんな時…
#着物トンデモマナーつくろうぜ
というハッシュタグがXのタイムラインに流れてきました。
最近着物界隈が賑やかで、今日もトンデモマナーが流れてきて、何かもう面白くなってきちゃったから、トンデモマナー作って遊びたい!#着物トンデモマナー作ろうぜ でオリジナルのトンデモマナーを披露しませんか(笑)— りめいく屋キャンディ@飴式イベント塾 (@8Candy9) September 28, 2024
この呼びかけは、ザワザワ・モヤモヤのはびこる着物界隈に不意に吹き込んだ爽やかな風のようでした。
ユーモアたっぷりに仕組まれた舞台でみんなが言いたいことを言える。そんなタグが大ウケしてあっという間に大喜利大会として大盛り上がり!
以下にいくつかのポストをピックアップしてご紹介させていただきます。
(タグ発案者さんではなく、失礼して本記事著者あゆみむの独断と偏見によるセレクトになります。このサイト仕様の都合上ポストをそのまま表示できないのですが、掲載の投稿日時から引用元に遷移できます)
それっぽい、でも思わずにっこりしてしまう優しいトンデモマナー
盆踊りで左前の人を見かけても声をかけてはいけません
誰かのご先祖さまかもしれないからです
#着物トンデモマナー作ろうぜ— きよっち💉💉💉(*•̀ㅂ•́)و✧回復💉 (@kiyoxxx921) September 29, 2024
いいですね、飲みましょう(笑)
#着物トンデモマナー作ろうぜ
着付ける前にまず日本酒を飲みます。— neco🐈⬛ (@neconeco13fox24) September 28, 2024
なお、以下の投稿者の方に著者が「和洋ミックスの場合」について確認したところ、羽織のみ和装の場合は、デザートのみ和食が可能(クリームあんみつ)とのこと!(笑)
#着物トンデモマナー作ろうぜ
着物を着ている人だけ、和食を食べて良い。
洋服の時は洋食を食べなければいけない。— みかこ👘12/15(日)着物民大忘年会🥂都内にて (@mikaco_kimono) September 29, 2024
やりたくてうずうずさせられるトンデモマナー(笑)
#着物トンデモマナー作ろうぜ
着物にブーツを合わせた時は、「日本の夜明けぜよ!」と声を高らかに上げなければならない— shiori (@sea_2d) September 29, 2024
目撃したい系トンデモマナー(笑)
#着物トンデモマナー作ろうぜ
派手な着こなし同士がすれ違うときは
目で軽く会釈しつつ小声で
(決勝で会いましょう…)
と言わなければならない。— 史-fumi- 着物男子ベーシスト (@fumi_saito) September 29, 2024
男のロマンが掻き立てられる系!(リプ欄で、女性も帯刀したいのですが!の声には角帯をしていればOKの許可が下りていました(笑))
#着物トンデモマナー作ろうぜ
男着物は武士の証なので常に帯刀しましょう
打刀と脇差の2振が理想です
そして隙あらば、敵の大将の首を狙いましょう— はらしまやぎお (@yagio_hara) September 28, 2024
おおお!推しを帯に!こんなことできるんですね!?
このトンデモマナーで着物着ようと思った方増えたのでは?
推しているものは何でも帯にするべし。#着物トンデモマナー作ろうぜ pic.twitter.com/rcUI5uumNX— ゆり(澤瀉屋が好きな国家認定1級着付師) (@funokai) September 29, 2024
私もタグを見てすぐに「なにこれ絶対面白いやつ!」と作業中断し、しばらくネタを考えてしまいました。
友達募集中はオレンジの帯締め(←帯の上に結ぶ紐)
恋人募集中はピンクの帯締め
声かけて欲しくない人は緑の帯締め
男女問わず帯の上に帯締めをすること
#着物トンデモマナー作ろうぜ
(マナー知らないと意外と難しかったこんなことしか考えられないw逆にマナーに興味湧いてるっていう)— あゆみむ @11/23.24おしゃ会6 (@ayumimu888) September 28, 2024
面白がってくれた方もいて嬉しかったです!(普通に自分の主催イベントでやってみようかな?と思ってしまいました(笑))
往来で勝手に着物を直してくるという噂の「着物警察」としてのトンデモマナー、あるいは対抗して良いというお許し系トンデモマナーの数もとても数が多かったです。
#着物トンデモマナー作ろうぜ
勝手に帯に手を入れて直そうとする際は諭吉券を数枚帯に挟んであげるのがマナー。— nakaのひと@ごはんしっかり食べる (@naka3513) September 28, 2024
着物警察を見つけたら必ずツーマンセルで倒す。決して単独行動で仕留めようとしてはいけない。
#着物トンデモマナー作ろうぜ— たかもも (@takamomomomotak) September 29, 2024
そしてあっという間にポストが増えていきトレンド化していました..!
1500ポスト越えた〜!皆面白い〜!遊んでくれてありがとう〜💖
(あとたまたまスクショしたタイミングでこの広告だった!笑)
着物警察免許制or金品を渡すべし系
男着物は帯刀系
どこかの地域に本当にありそう系
江戸しぐさ系
いろいろあって皆の発想すごいわ〜#着物トンデモマナー作ろうぜ https://t.co/WAJeQBZLeW pic.twitter.com/hUT2GvAUZB— りめいく屋キャンディ@飴式イベント塾 (@8Candy9) September 29, 2024
中には"トンデモマナー"というわけではないけれども、いつもは発信しづらかったかもしれないお話の投稿も多く見られました。多くの方からのいいね・リポストが集まった投稿も多々。
着物を着たいと思い立った人の為に、着物初心者割引が設定されている着物店があったらいいのにな。伝統文化を守る目的で、政府の補助金も出る。というか出せ。
ので着物初心者を見かけたら、褒める以外の声掛けをしてはならない。みんなで守ろう気楽な着物生活。とかね。 #着物トンデモマナー作ろうぜ— 夜路 (@yas_shiro_kkk) September 29, 2024
#着物トンデモマナー作ろうぜ
これはね、ずっと提案したかったことがあるのよ
小学生に、浴衣の着方の授業を毎年必ず入れる。
中学生になったら、着物の着付けを必須授業に。
きもの業界、これやったら二十年後の売上爆上げだよ?
まずは子供の世代を着物に染めにゃいかん!— 明星/あけぼし (@loveofmylifehim) September 29, 2024
確かに!思いつきもしませんでしたが、義務教育で着付、言われてみればその通りだなぁと思ってしまいました。
"トンデモ"効果で自由な意見をたくさん知ることができてとてもよかったです。
最後にこちらの方の投稿に、とても頷きました。このタグの一番の魅力はこれかもしれません。
#着物トンデモマナー作ろうぜ
このタグ、本気でボケてるのもあるけどわたしみたいな着物初心者が戦々恐々としている事に対して茶化してくれててるのもあって、安堵できるような優しいのもある〜
先に着物温泉に浸かってる民はいい具合に蕩けててほんま優しいわ。素敵。— 花雲 (@est_fiorenuvola) September 29, 2024
タグ発案者 りめいく屋キャンディさんはこう言います。(以下投稿より抜粋)
#着物トンデモマナー作ろうぜ でみんなの大喜利合戦ありがとうございました! 何も知らない人が勘違いして新たな謎マナーが誕生しないか、って指摘してくれた人がいたけど、私もそれは懸念してました。
たくさんの人がタグで遊んでくれると共に、私の手の届かない所まで広がってくのを感じて、誰かを傷付けないか、縛らないか、恐怖でした。 でもそれって結局、自分が加害者にならないか、もっと言えば「自分が悪者になって正義から攻撃されないか」って恐怖だったんですよね。 それで安心しました。 手の届かない遠くで何かが起こっても、私は修正できない。
でも恐怖の原因が私の中にあるなら、自分で何とかできる。 私は着物の楽しさを伝えたくてずっとやってきました。知らない人に伝える手段としてSNSを使っているから拡散もトレンド入りも大歓迎。 でも同時に、意図してない方向に受け取られる(=着物界隈の不利益への)恐怖も今回改めて学びました。
トレンド入りの歓喜と、同じくらい大きい恐怖。 自分が悪者になり攻撃される恐怖というものを越える経験ができて、今回良かったなと思っています。 今後もっと大きくバズることがあれば、もっと大きい恐怖が来るんだろうけど、そういうもんだと知ってて、自分で解決できるなら怖くない。
キャンディさんの運営する「飴式イベント塾」とは?
"数々のイベントを開催し、仕事になり、独立し、店を持ち、TV取材や講演会などにつながったキャンディが、イベント運営の経験値とノウハウを伝授します。「人生を切り拓く力を身につける」を最終目標に、企画力、運営、伝え方、SNS運用などを磨いていきます。"(サービスページより抜粋)
↓こちらで既に発信済みの文章・音源をチェックできます。いや、このページ大サービスすぎる!勉強になります。
#着物トンデモマナー作ろうぜ 大喜利的に投稿参加された方、読んだ方、それぞれ思うことがあったと思います。(以下タグへの感想ポストの引用)
#着物トンデモマナー作ろうぜ
なかなか興味深く読んでました。自分は特に気の利いた大喜利が浮かばなかったので😅。皆さん着物警察や呉服屋に相当嫌な目にあったんだろうなーと見えてしまう所もw
しかし自分も「あー、あの着付け直してぇ→男性」と思った事もアリ。「おっと危ない警察になる所だ」↓— ワルダー (@waruder) October 1, 2024
いずれにしても現代の着物ファッション、これからも伝統的だったり斬新系だったりそれぞれのやり方で楽しんでいきたいものですね。
私個人の感想としては、ルールやマナーは既にあるもの、縛られるもの、その中で色々工夫するものだと思っていたけれど、
そうか自分(自分達)で作ることもできるんだ!という気づきはとても大きいものでした。
タグ発案者のキャンディさん、新鮮な体験をありがとうございました!
上記で引用させていただいた皆様、ポストを読ませていただいた皆様にも厚くお礼を申し上げます。
最後に著者から宣伝です!
改めましてこんにちは!羽織好きのイベンター/ライターのあゆみむと申します。
「おしゃ会」というイベントを企画・運営しています。
自由に和洋ミックスファッションを楽しむ、マルシェ&ポートレート撮影&交流会です。
コンセプトは「普通じゃなくていい。あなたらしくていい」。
次回は11/23(土)昼 & 11/24(日)昼・夜を予定。場所は浅草エリアの蔵前(24夜は秋葉原)です。
おかげさまで6回目!遊びに来てくれる方、絶賛募集中です♪
(以下の画像からイベントページに飛べます)
▼この記事を書いた人
おしゃ会代表。イベントディレクター 、ライター、撮影サポート、MC。面白コーデ好き・羽織でカンタン和洋MIX!短歌と猫と天然石も好き。
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